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すぐりんコンサート〜!?

2004年3月1日

 鹿児島は夏だった…。
暑い、暑い。温室育ちの、か弱いお坊ちゃまには耐えられない鹿児島に行ってきました。居酒屋「ユズリン」号の大将、僕よりも年下の父ちゃんの待つ鹿児島へ!(お坊ちゃまの親が「父ちゃん?」これからは「父上」と改めなければ)
 今回は、第二回出水市コンサート。仕事の都合で仕方なく飛行機です。恐怖の飛行機(なんであんなに重いものが飛ぶのだ?)。新幹線がもうすぐできてしまい、特急「つばめ」が消えてしまうというのに。はたして、飛行機に乗って良かったのだろうか!あこがれの特急「つばめ」君!僕の選択は正しかったのだろうか?ああ、ああっ、つばめよ!つばめ〜!まいっか。新幹線も早く乗りたいから…って、なんて薄情者のユズリン…。
 それにしても、暑い鹿児島でした。すでに季節は「しろくま」ムード。みなさん、そろそろ「しろくま」の正体がわかってきましたか?「いい加減に教えてよ!」という読者のみなさんのためにお教えしましょうね(ってそんな問い合わせは何にもないけどね)。「しろくま」っていうのはね、鹿児島にあるカキ氷のことだったのです!いろいろな果物などがのっていて、上から見るとまるで動物の白熊の顔のように見える、ということでこの名前がついたんだとか。ちょっと、そこのあなた。ま〜さか、白熊の肉を食べるとでも思っていたんじゃないでしょうね?もう、そんな事を思うのは、はっきり言って、あ・な・たぐらいです(って、僕も最初はそう思っていました、はい)。

 さてさて、今回のコンサート。素晴らしかったんですよ。またまた満席!前回は300人ほどで満席と報告しましたが、今回はそれを上回る400名の方が来てくださったのです。うん?同じ会場なのに、同じ広さなのに、ど、どうして…?いいんです。細かい事には目をつぶってください。言うならば、超満席!状態だったのです(出水の七不思議なのだ)。
 午前中がリハーサル。あの、出水の仲間達に再会できる…。愉快で素敵な、若々しい仲間達に。この、押さえきれないときめきを胸に、会場に到着したのは朝の九時。し、しかしです!おかしい。ホールの入り口にはたしかにポスターは貼ってあるものの、なんだか僕じゃない!いや、最近目が悪くなってきたから、遠くてはっきりしないだけかも。もっと近づかなくては…と思いつつ足を速めると。な、なんとそのポスターには、
〔中山すぐるさん すぐりんコンサートin出水 初来日〕
と書いてあるではありませんか!! え〜っ、な、なんだ、こりゃ〜!。ずっと、このユズリン日記を読んでくださっているあなたは、うすうす感づいてきたでしょう。そうです、そうなんです。その顔は、居酒屋「ゆずりん」の大将・父ちゃんの顔だったのです(いや、父上の)。しかも、『きみがぼくの“元気”』のCDジャケットと同じ、両腕を頭の上に持っていくアイドルポーズそのもので! ひげもじゃのアイドル…。はぁ〜…。それも、1枚じゃないんです。ホール入り口に、ずら〜っと貼りめぐらされているんです。その数、ざっと10枚以上。そのうえ、全部カラーで!(いったい、この予算はどこから…)
 もしもですよ、朝早く来た方が見たら、「ありゃ、今日はこの人のコンサートかい。名前も変わったのかねえ」と、地区の連絡網で、緊急電話を回してしまうかもしれません。急いで、僕がはがしたことは言うまでもありませんね(そして、ちゃんといただいてきたのでした)。それにしても鹿児島の仲間達は、いつになったら僕の名前を覚えてくれるんだろうか? 「すぐる」じゃないんだけどなあ…。

 今回の目玉は、地元で大活躍中の人気バンド「色えんぴつ」との共演です。ベース、ギター、パーカッション、キーボード2台、ボーカル2人という、なんとも豪華な顔ぶれ。笑顔がかさなれば・ドンマイ・これからもともだちの3曲を一緒に演奏してくれました。うんうん、良い感じでした。リハまでは…。
 そうです。
 本番になったら、ありゃりゃのりゃ! ドンマイで、2番を歌うはずだったトトロのF君。歌わないんです。えっ?ていう顔で僕を見るばかり。「ほらF君、さっきのように歌って」「そんな練習しましたっけ?」「何言ってんの?さっきやったじゃん」「本当に歌うとは思ってなかったんです。もういっぱいいっぱいです。」「そ、そんな〜」という会話を目で交わしているうちに、あえなく2番は過ぎてゆくのでした。3番は女性のIさんの番です。「ふん、F君ったらだらしないわねえ。ちゃんとユズリンの話を聞いていないからよ。ユズリンはふざけているようで、ああ見えてもけっこう真面目なのよ。いつふられてもいいように、心構えだけは持っておかなきゃね」と、堂々と歌い上げたのでした。心なしか、あの大きなF君が小さくなってゆきます。トトロがとろとろに溶けてゆく〜。
 さあ、エンディングです。この歌は最後が意外と難しいんです。ピアノが、ドレミファソラシ…と弾いた後、4拍目の裏で「ジャン!」と全員で決めなければなりません(わからない方は、CDを何回も聞いてみてね)。リハーサルでは、何回も何回も、そこだけを練習して、みごと合わさるようになっていました。多少の不安はあるものの、4拍目の裏を待っていたら、4拍目ぴったりで「ジャン!」と音が先に聞こえたのでした。ずっこけながらも、僕はとにかく、裏で弾きました。苦笑いしながら、お客様に「あれほど練習したのに、ずれてしまいました。さあ、その犯人を紹介しましょう」と、ちょうど僕の背中の方にいるはずのギターを振り向いたら、い、いないんです!僕は驚き、お客様は大笑い。事情を知っている他のメンバーが教えてくれました。
 「今ちょうど、ビデオカメラの撮影に客席に行きました。」
え〜っ、なんで伴奏者がビデオまでやるの? じゃあ、この後の曲はどうなるの〜?
 仕方なくギターなしで次の曲に移るしかない。かわいそうな、そして、けな気なユズリンでした。

 バンドマスターは、居酒屋「ゆずりん」の大将。
バンドの仲間を一人ずつ紹介してください、って言ったのに、「では、紹介しましょう。まずは、ピアノ…」ってさあ、僕はいいんだってば! ずっと、こんな調子でずっこけっぱなし。二部でのピッカマンのダンスの時も、また僕に内緒で、ごみくず大魔王の衣装を勝手に作って、途中で飛び出て大暴れするし。最後のF君のあいさつでは「3〜4日前まではチケットが思うように売れなかったのですが、行ってやってもいいよと言う人がいてくれたおかげで…」と満席の内情を正直に暴露されてしまうし。アンコールで「ユズリンありがとう」と書かれた大きな紙が会場に掲げられ、泣かされてしまうし。何から何まで、やられっぱなしの、お坊ちゃまでした。

 この夜の打ち上げも、きっと、忘れられない夜になるでしょう。
 場所は、居酒屋「ゆずりん」の大将が密かに山中に作った秘密基地!じゃなくて、窯!そう、父ちゃんは(いや、父上は)焼き物をやるのでした。狭い場所にみんなで肩寄せあい、雨風を青ビニールでしのぎ、炭火で焼きながら食べたお肉(ねえ、ビールまだあ?え〜っ、キ○ンじゃなきゃやだあ!買ってきてぇ)。う〜ん、なんとも、ぜいたくな至福の時でした。
 お坊ちゃまは、そのお肉をいただきながら、思ったのでした。

「うん、許そう。今日のコンサートのすべてのミスは、許そう…。」

 ああ、なんて寛大なお坊ちゃまでしょう。こうして、出水の夜はふけてゆくのでした。来年もあるんです。すでに決定しています(よね?)どうぞ、みなさん、来年こそはおいでくださいね。あっという間に町を通り抜けてしまう、そんな素敵な出水にね。