ユズリンキャラクター
新着情報
プロフィール
スケジュール
ライブラリ
ユズリン日記
学校公演・コンサートのお問い合わせ お問い合わせ
SBSラジオ「ユズリンの音楽日記」
ユズリン日記 HOMEINDEXBACK

ユズリン、鹿児島に走る

2003年7月1日

 始まりました!もうサマカレの季節です。ついこの間終わったとばかり思っていたのに、もう…という感じです。こうやって、あっという間に一つずつ歳をとっていくと思うと…うっ!うれしい!(本当かいな?)
 
 サマカレ初回はあこがれの鹿児島からです。三月に枕崎小学校と出水市でのコンサートを経験したばかりの僕は、実行委員会(その名も“しろくま”)のみんなに会うのがもう楽しみで楽しみで。きっと何かやってくれるんじゃないかってね。飛行機苦手の僕はずっと地上を走っていったのでした、って僕は座っていただけですよ、わかってますよね?
九州新幹線ができてしまうと消え去る運命の「特急つばめ」。白い車体で、どこか愛くるしい感じの「特急つばめ」。車窓からの眺めは抜群です。川沿いを走り、昔ながらの町並みを抜け、田植えが終わった景色の中を走り、なんともおだやかな気持ちにさせてくれます。これが新幹線だと、トンネルと山々の景色だけになっちゃうんだよね。速いのもいいけど、風情はなくなってしまいます。これは確かな事ですね。
博多から出水市までの二時間半の旅は、あっという間に終わるのでした。

さて、前回も書いたのですが、何かが待っているに違いないとにらんだ僕は、ホームに下りた瞬間から身構えていたんです。何が起きても対処できるようにね。雨交じりのホームでは何も起きず。改札を抜け、短い駅舎を通り抜け、例の左手にあるベンチの方をまずは顔だけ出して盗み見したんです。ところが、いない!トトロがいない!右手の郵便ポストの上にもビデオはない!う〜ん、しばし考え込むユズリン。しょうがないと、そのベンチに腰掛けて成り行きを見守る事にしました。

すると、なんとなく見覚えのある荷台付き自動車がやってくるではありませんか!そう、その車こそ、前回の「居酒屋ゆずりん」号なのです(何の事かわからない方は、ユズリン日記『ゆずりん、鹿児島に飛ぶ』をお読みください)。
しかも、今回はボディに「うたごえ喫茶ユズリン」とでかでかと書いてあるんです!さらに、そこに乗っている二人はいかにも怪しげな、農村風景を思い起こさせるいでたち(農村風景が怪しいのではありませんぞ、その二人のかっこうがです)。ジャージは理解できるのですが、麦藁帽子に幕がついていて、顔がはっきりとは見えないんです。しか〜し、僕には誰だか判別できるのでした。恐るべしユズリン!一人は、しろくま実行委員長のF君、そしてもう一人は、居酒屋ゆずりんの大将H君。忘れたくても忘れられない二人なのです。

そうこう考えているうちに、なんと車は発進して僕の目の前から消え去っていくのでした。「あらら、ぼ、ぼくはどうなるの?」と思いきや、何の意味があるのか、駅前の小さなロータリーをわざわざ一周して戻ってきたんです。い、意味がわからない…。そんなこんなでやっと乗せてもらえたのでした。この間に僕の頭の中では、都会に働きに出たむすこを、田舎に住み田畑を守りながらも一所懸命に生きている父と兄が迎えに来た…なんていうドラマがすでに展開しているのでした。車にはクーラーもない!カセットもない!しかも天井からはネジが突き出ている! 父はこの日のために、くつを新しいものにした(しかし、それはどう見ても学校ではく上履きのようだった)。やっとの再会なのに、お互い口を開こうとしない、いや、開いたら泣いてしまう、ウウッ。三人でずっとこのお馬鹿な芝居に陶酔していたのでした(こんなユズリンに付き合える二人こそ、たいしたものです)。

ああ、前置きが長すぎました…。

で、今回はサマカレだよね、そうそう、忘れてた。一言で、良かったよ(って、それだけかい)。まっちゃんがソロアルバムを発表したでしょ?もうはりきっているし、遊びも工夫しているし、言う事なし!研究部長としてはその成長ぶりに拍手!ピカリンだってさすが、ダンスの指導もうまいし(自分は踊っていないのに、あたかも踊りながら指導しているように見えてしまう)、みんなで考えてゆく遊びも健在(これを僕は“まる投げあそび”と命名)!うんうん、みんな大きくなったなあ。え、「で肝心のユズリンは?」って?何をおっしゃるうさぎさん、ユズリンちゃんはいつものペースそのもの。また、一人で笑いながら夢の世界に行ってしまうのであった。

真面目な話、三人のバランスや個性が上手にかみあっていたな、うん。この調子で、あと12ヶ所のサマカレを乗り切りましょうね。ユズリンがプレゼントした研究所バレーボールチームユニフォームを着て。

二日目の夕方、もうお別れです。
楽しかった親子ごっこ…(サマカレじゃないのかいっ!)。だってさ、僕のお昼の味噌汁だけに卵が入っていたんだよ。大根の味噌汁には半熟の卵…父ちゃん、覚えていてくれたんだね。
そんなふうに、ずっとふざけていたユズリンも、なぜか目が下向き加減。最後の笑顔をふりしぼり「父ちゃん、じゃあ都会に帰るっぺ」(あんたの田舎はどこだい?)。その言葉に、居酒屋ゆずりんの大将ふんする(ユズリンよりも年下の)父ちゃんは言うのでした。
「仕送りしろや〜。」

じゃあ、そういうことで。またね〜!