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秋の夜長に書く手紙

2003年10月10日

ああ、秋です。

誰がなんと言おうと秋です。土瓶蒸し、秋刀魚の塩焼き、焼き芋、大学芋、栗ごはんにマツタケご飯、ああ、やっぱり誰がなんと言おうと秋です(って、食欲だけかい!)


幼い頃、お月さまが好きでした。よく店先に出ては(家は八百屋だったからね)眺めていたんです。何を考えるわけでもなく、ただただ、お月さまをぼーっと見ていた、八百屋のおぼっちゃまでした。そうそう、芋の煮っころがしを新聞紙に包んでは、おじいちゃんと一緒にわざわざ電車に乗って川のそばまで行き、食べながら見たこともあったなあ。ただただ、自然の不思議さや雄大さ、そして月の美しさに感動していた、感性豊かなおぼっちゃまでした。おだんごを食べたい、芋を食べたい…などとは決して考えていなかった、かわいいおぼっちゃまでした、はい。

そのおぼっちゃまも今は、お月さまを眺めては、新しい曲を生み出せるというまでに成長したのです。おお、なんて素晴らしい「元八百屋のおぼっちゃま」!(え、もう「おぼっちゃま」はいいって?はいはい、わかりました。)


秋は夜も長くなりますねえ。そんな時、あなたなら何をしますか?
僕ですか?僕は・・・寝ます。
理由?そりゃ、眠いから。以上!…ってこれじゃあ、今回の話が終わってしまうので、訂正しましょう。こんな夜には、やはり手紙なぞしたためたいものですね。
もちろん、パソコンや携帯のメールも良いものですよ。一時も早く伝えたい時には、本当に便利です。気持ちがこもっていれば、方法はなんであろうと心が伝わります。設定された字数内で、相手に思いをいかに伝えられるか。これもまた楽しいものです。けっこう、文をまとめる力が必要ですしね。僕の知っている人なんか、携帯を買ったばかりの時は、本当に短い文を打つのに時間もかかり必死でしたし、意味不明の文もたくさんありました。が、今はすごいです。あっという間に長い文を書けるようになっているんですよ。人間という生き物は、日々成長するものです(たとえ歳をかさねても)。あっぱれです。

しかしです、しかしですよ。この頃ペンを持たなくなっているというあなた、どうですか、親指だけの携帯メールをちょっと置いといて、今宵(こよい…と読みます)はペンを持ってみませんか。
というのは、僕にもたくさんの方からお便りが届くんです。パソコンへのメールもたくさん届きますが、あえて手紙で、葉書でという方も多いのです。そこには、また違った気持ちがたくされているのがわかりますねぇ。手書きの文字というのは、その時のその人の気持ちまでもを表すので、なんとも不思議なものです、はい。そして、もっとわくわくするのは、ポストをのぞく瞬間ですね。今日は来ているかな?明日かな?と、ときめく胸…。たとえ小さな胸でも、どっきんどっきんです(あら、失礼!)携帯世代の子ども達って、こんなときめきを知っているのかな?多少の不便さがあった方がいいですね。人の心を大きくふくらませてくれているんですね。


年末のレコーディングに向けての会議も終わりました。
選曲もばっちりです。え、どんな曲が入るのか知りたいって?う〜んと、どうしよっかなあ…(出たぁ、ユズリンお得意のじらし攻撃)。まあ予想できるとは思いますが、静岡市のスーパーやゴミ収集車で流されている曲でしょ、それから、テレビのテーマソングの曲でしょ、それから、金井さんとのコンサートの時にマイクを通さないで歌う、あの曲でしょ、それから、ハブラシマンの歌でしょ、そして月を見ながらできた曲でしょ・・・あとは、お楽しみにね。

ああそうそう、僕にとっては、そんな歌が手紙なのかもしれませんね。子ども達や聞いてくださるあなたに贈る手紙。もっと言えば、ラブレターなのかも! 一曲一曲が、大切な手紙なんですね。しかしです、それなのに、選曲が決まっていても録音直前までに違う新しい曲ができちゃうと、ころっと変えてしまうんです。秋っておもしろいもので、人間も実りの時を迎えるようですね。夏までに経験した様々な事が、実をつけていくんです。ほら、あなたのお腹の周りにもついているでしょ?え、それは脂肪だって?(あ、僕にもあった!)

曲目の変更は、過去にも何回もあったんです。ディレクターも、そんな僕の行動はお見通しで、「曲数さえ変わらなければいいよ、自由にやって」の一言です。どうしよう、こんなに信頼されちゃって。やっぱり、僕ってかわいいから?(はいはい)
ちなみに、過去落選してしまった曲名はですね、『シャキッとしましょう』『きりっと歩き出そう』等などです。なんか共通点が名前に表れているような。その代わりに入ったのが、『フニャグニャさせて』でした…!?

さあ、今夜こそペンをとって書いてみましょう。月を眺めながら書く手紙、いいものですよ。ただし、一つだけ注意!必ず、翌朝読み直しましょうね。けっこう、恥ずかしいような、赤面するような言葉が、そこにはあるはずです。でもさ、それもまた勢いでいいかも!

てなわけで、僕も今、新しい曲を書いています。
もう少し、言葉を選んだら完成です。ディレクターさま、楽しみに待っててね(またかい!)。